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FOOD

摩訶不思議、中が空洞のパンがイタリアにある!〜タルタルーガ前編〜|池田浩明のイタリアパンラボ【第2回】

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摩訶不思議、世にもサンドイッチに向いたパンがある。名をタルタルーガという。イタリア語で「亀」の意味。丸くて背が膨らんだ、亀の甲羅のような形をして、格子の模様までつけられている。

 

 

 

上下2つに切ってみよう。亀の甲羅の部分がなんと空洞になっている。ここにいろんなものを入れればサンドするのにたいへん都合がいい。

 

 

 

イタリアパンの店「パーネ・エ・オリオ」の小林照明シェフ。正統なタルタルーガは日本ではこの人ぐらいしか作れないのではないのか。

 

 

 

なにしろ、パーネ・エ・オリオは、生地を1個分の大きさに分ける分割機もイタリア製。イタリアの分割機は生地の塊を、蜂の巣みたいに六角形に分割する。この形がそのままタルタルーガになる。分割された生地は丸めず、格子模様のスタンプを押す。すると、オーブンの中で生地が上に伸びて空洞ができる。

 

 

 

「なんで空洞になるかは僕にも正確にはわからないんですが、スタンプを押すからなると思う。切りっぱなしの生地にスタンプを押すことで、発酵で出たガスが閉じ込められるんでしょうね」

 

「元々はオーストリアがミラノを占領したとき、提督がカイザーゼンメルを食べたがったために生まれたロゼッタ(バラの形をしたパン)が元になっています。他の場所に伝わっていく間に穴が開いた亀の形のパンになったんじゃないでしょうか」

 

パーネ・エ・オリオでは、イタリアのダラジョバンナ社製の小麦粉を使用。中種を使って前日から十分な発酵をとる。だから、軽くて歯切れがいいのに、イタリアらしい粉の風味がすばらしく感じられるのだ。

 

 

 

イタリアでは、空洞の中にハムやチーズをはさんでパニーノに。あるいは、小林シェフにはこんな思い出がある。

 

「イタリアの屋台でタルタルーガに熱々のトリッパを入れて渡してくれるんです。本当においしかったなー」

 

それはうまそうだ! ぜひ、やってみたい! 次回は、トリッパ in タルタルーガを実行すべく、凄腕料理人の元を訪れる。

 

【これまでの連載はこちら】

 


 

パーネ・エ・オリオ

営業時間 10:00~18:00(日月祝休み)

東京都文京区音羽1丁目20−13

TEL. 03-6902-0190

http://paneeolio.co.jp

PROFILE
池田浩明 _ Hiroaki Ikeda

パンラボ主宰、ブレッドギーク(パンおたく)。東においしいパン屋あると聞けば行ってパンを食べ、西にすごいパン職人がいると聞けばその声に耳を傾け、南に偉大な小麦農家ありと聞けば、土を掘り返し、小麦をむしゃむしゃ頬張る。著書『サッカロマイセスセレビシエ』、『食パンをもっとおいしくする99の魔法』、『空想サンドウィッチュリー』、『パンの漫画2 さすらいのクロックムッシュ氏』、編著に『パンの雑誌』(すべてガイドワークス刊)、『おかしなパン』(誠文堂新光社)、『日本全国 このパンがすごい!』(朝日新聞出版)、『パンソロジー』(平凡社)。

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